3月7日 【取手市】ライオンキングのユーザーレビューを掲載しました。

小岩– category –

小岩駅周辺の特徴

小岩は、初見で「うわ、観光地だ」とテンションが上がる街ではない。けれど、歩き始めるとじわじわ効いてくる。南口から放射状に伸びるフラワーロード、昭和通り、小岩サンロードがまず強くて、駅前の空気を商店街がそのまま引き受けている。チェーン店だけで埋めた駅前ではなく、昔からの個人店と今っぽい店がまだちゃんと混ざっている。この雑ざり方が、小岩のいちばん大事な味だ。

しかも小岩は、ただの下町で終わらない。北口側では再開発が進んでいて、歩いていると昔ながらの小岩これから作り替わる小岩が同じ視界に入る。駅前のくたびれた温度を残したまま、新しい建物が少しずつ割り込んでくる。この中途半端さがむしろ面白い。きれいに整い切っていないからこそ、街の更新途中をそのまま見られる。

さらにこの街、派手なランドマークが少ないぶん、暮らしの匂いが前に出る。総武線沿線らしい庶民的な空気があり、昼は買い物の人で回り、夜になると飲み屋の気配が強くなる。大きな観光地のように「ここを見て帰ってください」と前に出してくる街ではない。その代わり、小岩は歩いた人のほうに街の輪郭が残る。気づけば「あの商店街、なんか良かったな」と思い返すタイプの街だ。

名物

小岩の名物は、名所の前で記念に一個食べて終わるものより、商店街の延長にある日常のうまさに寄っている。フラワーロードやサンロードを歩いていると、惣菜、焼き鳥、和菓子、パン、総菜パン、街の甘味みたいなものが自然に視界へ入ってくる。つまり小岩は、観光客向けに作られた名物より、地元の人がふつうに買って帰る食べ物が強い街だ。

そのせいか、小岩の食はやたらと距離が近い。高級店の特別な一皿というより、夕方にふらっと寄って一本買う焼き鳥、手みやげにちょうどいい菓子、ちょっと腹を満たすパン、そういうものが街の温度に合っている。派手さはないけれど、買い物の手触りがある食べ物が多い。ここが小岩のかなりいいところだと思う。

それと、小岩を含む江戸川エリアの味として外しにくいのが小松菜だ。小岩は商店街の街という顔が強いけれど、東小岩には小松菜の直売所もあって、食の話を少し広げると江戸川区の小松菜文化へ自然につながっていく。小岩の名物は、一軒の超有名店で押し切るより、商店街の総菜力江戸川の地場ものを合わせて見たほうがきれいにハマる。派手ではない。でも、地に足がついている。その堅実さが小岩らしい。

観光スポット

観光スポットとしてまず名前を出したいのは、小岩菖蒲園。小岩駅前のごちゃっとした商店街の景色から少し離れて、江戸川の河川敷へ出ると、急に視界がひらける。この切り替わりがかなり気持ちいい。花の季節はもちろん強いけれど、小岩菖蒲園の良さは、ただ花を見るだけではなく、小岩にこんなに抜けた風景があるのかと驚けるところにある。駅前の生活感と河川敷の開放感、その差まで含めて小岩の見どころだ。

もう一つ入れたいのが、善養寺と影向の松。小岩と聞いて真っ先にここを思い浮かべる人は多くないはずだけれど、実はかなり強い。影向の松は見た瞬間に分かる迫力があって、街の印象を一段深くしてくれる。商店街のにぎわいとは別に、こういう古い時間を引き受けた場所がちゃんと残っているから、小岩はただの便利な住宅地で終わらない。

そして忘れちゃいけないのが、小岩の商店街そのものだ。フラワーロード、昭和通り、サンロード。このあたりは、観光地の「映えスポット」とは違うけれど、歩くほど街が分かる。店先の並び、古い看板、買い物袋を提げた人、夕方の惣菜の匂い。小岩の面白さは、どこか一か所を見て終わることではなく、商店街を歩いて街の温度を持ち帰ることにある。派手な見せ場は少ない。でも最後にちゃんと残る。そういう街は、案外強い。

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